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ネオンテトラで賞金をゲットせよ

 俺が高校の時の話である。当時は熱帯魚にハマッていた。いや、日本産淡水魚、海水魚、両生類など、水槽で飼えるものならなんにでも手を伸ばしていた。
 ネオンテトラはその内の1つである。側線に沿って光沢を持つブルー、腹部からシッポに向けて赤いラインを持つ非常に綺麗な模様をしている。値段が1匹200円程度と安く、飼いやすい、非常にポピュラーな熱帯魚だ。通称「泳ぐ宝石」。
 しかし、この魚は繁殖が難しいとされる。

 高校の頃、「ネオンテトラの繁殖に賞金が賭けられている」という情報を雑誌で仕入れた俺は、ネオンテトラの繁殖実験を決意した。熱帯魚の雑誌を立ち読みしてきただけなので、「いくら貰える」「どこに発表すればいい」という情報はなかったが、
「そんなの繁殖できてから探せばいいサ。」
 と、大張り切りである。もちろん、ネオンテトラ繁殖の手引きのようなものは無いと思っていたので飼育方法も我流である。 水温やペーハー試験値を1日ごとに調べるような几帳面な俺ではない。
「メダカみたいだから水草ぼーぼーにしとけば増えるかも」
 という実験とは思えないような乱雑な計画で繁殖に挑んだ。(実際はネオンテトラはメダカの仲間ではない(笑))

 元からいたネオンテトラ5匹と新しく買ってきた5匹を水槽に入れ、水槽掃除用にコリドラスを1匹、オトシンクルスを1匹投入。実験開始の時点で水槽掃除をしようとも思ってない所が相変わらず適当である(笑)
 最初の1ヶ月は特に期待もせずネオンテトラの数を数えていた。
「繁殖が難しい魚であるから、1ヶ月間は安静にして置こう」

 次の1ヶ月もなんの進展も無し。
 基本的に俺は水槽の水を足したり換えたりすることはまったく無い。壊れかけのブクブク一個である。ブクブクとは水中に空気を送るエアーポンプのことだ。新しいブクブクは大量に空気を送り込みすぎて「うるさくて繁殖しないかも」と考えていたために、ごく少量のアワしか出ない、壊れかけのものを使用した。

 3ヶ月目に入って1匹死んでしまった。
「もしかしたら相性のいいカップルが出来てないのかも?」
 と思い、新たにネオンテトラを11匹購入して水槽に投入。餌のやり過ぎでコリドラスは太り気味であった(笑)

 4ヶ月目以降はシビレを切らして実験をしまくる。しかも、繁殖するとは思えないような過酷な実験の連続である(笑)

 など、思い付くだけのことはやってみた。しかし、まったく何も反応が無い。

 繁殖を試みてから半年ほど経って……。

 とある友人から知らせが届いた。
友 「ネオンテトラの繁殖って難しいみたいだけど、結構増えるねぇ〜
俺 「なにィ! どーやったんだ? いやその前にオマエ、お金貰えるぞ」
友 「へ? なんで?」
俺 「ネオンテトラの繁殖に賞金かかってるんだよ。知らなんだん?」
友 「え……でも、この本にネオンテトラの繁殖の方法載ってるよ。こんなのに賞金かかるのか?」
俺 「……」
友 「……」

 そう、ネオンテトラの繁殖に賞金がかかっていたのは、かなり昔の話だったのである。
 この後、その本を見せてもらった時の脱力感は俺の人生の中でもベスト5に入るものであろう。なにしろ、気絶しかけたんだから。

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Document Write by iszark. Last Update, 1999-06-18.
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