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近くの寺の裏山に「三十三間堂巡」という散歩コースみたいなものがある。けもの道のような山道に33のお堂があり、それを順々に回っていく散歩コースだ。実際にはお堂は37つほどあるのだが(笑)
この道は入り乱れた迷路のようにいくつかの分岐点があり、しかも散歩道を抜けると寺の裏、すなわち「墓地」に出る。
山の中であるため昼間でも薄暗く、とても気味が悪い。スズメバチの巣だってあるし、ヘビなどいつ飛び出してきてもおかしくない。
「これ以上の肝試しコースは無い!」
と、思われるロケーションである。
小学生の頃は何度か歩いた事があるのだが、誰も入らなくなってきたらしく、俺が中学生になると道が解かりづらい程、木がおい茂っていた。
このコースを中学生の頃、1人で夜歩いてみた。夜と言っても8時頃。
しかし、何故1人だったか?
誰も行きたがらないのである。
「川口探検隊」を見て育った子供だったので「これは何かある!」と勘違いし(笑)、1人でも行く事にしたのだ。
1〜10番くらいのお堂までは何も無く突き進んでいく。まだまだ「好奇心>恐怖」なのだ。お堂の中のお地蔵さんをよく観察している余裕ぶりである。
しかし、15番のお堂のお地蔵さんを見た時、いきなり凍りつく。
「首が無い……」
それでもまだまだ進む。このぐらいのことはあると予測していたのだ。
19番のお堂は……。
「お堂ごと無い!!」
昔はあったはずなのに! 理解不能・予測不能の出来事である。
「なんでやねん……」
と、軽くツっこんでみるが、既に心は「好奇心<恐怖」となっている。しかし、引き返すことは出来ない。迷路のように入り乱れた道を最短で戻るより、先に進む順路のほうが道が出口に近いのだ。
やや小走りに突き進んでいく。途中でオシッコがしたくなったので、立ちションしているとヘビがこっちを見ていた。
「今噛み付いたら殺す……」
と、ワケわからんこと考えながら立ちションしおわる。
「ん? もしかして狙われてる!?」
とアホな考えが頭をよぎり、辺りを見回す。今思うと誰にやねんって感じだが(笑)
「やっぱ、なんかいる気がする……」
ふと上を見ると、
「何ィ! 星が見えない!」
森の中で上には木が生い茂っているはずなので見えなくて当然である(笑)
「森全体が俺を!!」
と、大混乱(笑)。頭の中はすでにもののけ姫状態だったのだろう(笑)
お堂の数字の確認などせず走る!
34番のお堂を越えた少し広い場所に出ると、少し落ち着いた。もう出口も近いので安心である。
しかし、またもやここでアホな考えがおこる。
「懐中電灯を消してみればどうだろう?」
懐中電灯を消せば何か見えると思ったのだろうか。自分の恐怖心をもっと煽ってみたいという好奇心だろうか。懐中電灯を消してみる。
別に変わった事は無かった。
再度、点灯しようと思ってスイッチを入れてみる。
「あれ……つ、点かんやん!!」
「なっ、なんでやコラぁー!!」
と、いきなり逆ギレ(爆)
思いっきり懐中電灯を蹴り飛ばし、また走る!(笑)
出口に近づいても恐怖心は高まるばかりである。そう、出口には墓地が待ち構えているのである。墓地の少し手前で立ち止まり、深呼吸。
「気付かれないように駆け抜けよう……」
と、またもや謎の考えがおこる。誰に気付かれるんだよ(笑)
ルパンがやっているような腰を低くして足音を立てないような密偵走りで墓地を駆け抜ける。
実際には幽霊もなにも出なかったが、
「ふむぅ……恐るべし、恐るべし、三十三間堂」
と口走りつつ帰途についた。
心霊現象的なウワサはあまり無い「三十三間堂巡」ですが、皆さんもどうですか? ご案内しますよ。
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Document Write by iszark. Last Update, 1999-02-09.